欠損箇所の治療には様々な選択肢があります。
患者さんの口腔内状況に合わせ、ベストな選択ができるよう提案させていただきます。
歯を失ってしまった方へ
必ずしも歯を失ったら何かをいれないといけないかと言うと、そうではありません。
かくいう私も歯がない箇所が1本あります。しかし失って10年以上経過していますが、まわりの歯への影響は全くありません。
大事なのは、「かみ合わせ」、「見た目」、「まわりの歯への影響」です。
失った箇所や本数によってはかみ合わせが悪くなり、全身に様々な支障をきたすこともあります。
歯を失ってしまった場合はご自身で判断されず、歯科医院で1度確認されることをお勧めします。
選択肢1 ブリッジ
部分的(1本~2本)に歯を失ってしまった方に提案する治療法です。
失ってしまった箇所の両隣にある歯を削り、そこを土台として橋渡しするように人工の歯を入れる治療法です。
安定感に優れ、咬み心地は素晴らしいという長所があります。また人工の歯は自費の素材を選べば天然歯と変わらない見た目を手に入れられます。
ただし、両隣の健康な歯を削らないといけない(歯は削ると寿命が縮まってしまいます)上に、装着後の掃除が難しくむし歯になりやすいという短所もあります。
ブリッジを入れた方はこれまで以上にご自宅でのケアに加え、定期的な歯科医院でのケアが重要になります。
選択肢2 入れ歯
※左が自費の入れ歯、右が保険の入れ歯です
保険の入れ歯と自費の入れ歯の大きな違いは「見た目」、「フィット感」、「薄さ」です。
ユキデンタルオフィスでは、患者さんのご希望や残った歯の状態に合わせ、以下の5種類の入れ歯より最適な提案をさせて頂きます。
保険の部分入れ歯
保険対応のため、安価で作成が可能です。適用範囲も広く、様々なケースで対応可能できますが、金属クラスプ(針金)を使用するので、審美性で劣ってしまいます。
また、クラスプを固定するために歯を削らなければならず、固定により歯へのダメージもあるのが短所です。
保険の総入れ歯
保険対応のため、安価で作成が可能です。樹脂でできているので、破損した場合でも修理が安易に行えます。
反面、安定感に欠けてしまう上に、樹脂の厚みがあるので違和感や痛みを感じるといった短所があります。
金属を使用しない入れ歯(ノンクラスプデンチャー)
部分的に数本の歯を失ってしまった方に提案する自費の入れ歯です。
金属を使用しないので、喋っているときも入れ歯だと気づかれにくい審美性に長けた入れ歯です。金属アレルギーの方にもおすすめです。
また白いレジン系のナイロン素材を使用しているので、フィット感も優れています。この素材はしなるので、経年的な顎堤の変化にも柔軟に対応できます。
義歯の種類 | 金額の目安 |
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ノンクラスプデンチャー(片顎) | 130,000円(税込143,000円)~ |
ノンクラスプデンチャー(両顎) | 165,000円(税込181,500円)~ |
*上記金額は一般的な治療の場合の目安であり、症例によってわずかな増減が生じる場合があります。
インプラントを併用した入れ歯(インプラントデンチャー)
歯がほとんど残っていない方に提案する自費の入れ歯です。
入れ歯は味蕾(食べ物の味を感じる小さな器官)を覆ってしまうので、味覚が落ちてしまいます。味覚を優先し入れ歯の口蓋を抜いて作成してしまうと、入れ歯のフィット感がなくなってしまうので、本末転倒です。
つまり入れ歯にしてしまうと、必然と味覚が少なからず落ちてしまうというデメリットが発生します。
そこで味蕾を覆わないように口蓋を抜き、さらにフィットするようにインプラントで入れ歯を支えるという手法があります。
全てインプラントにせず、入れ歯を支えるための最低限のインプラント本数で行えるので、全てインプラントを埋入するケースと比較し、費用が格段に抑えられるメリットがあります。
また通常の入れ歯とは違い、味覚も格段に上がります。
義歯の種類 | 金額の目安 |
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インプラントデンチャー | 1,100,000円(税込1,210,000円)~ (※インプラント4本+義歯代込み) |
*上記金額は一般的な治療の場合の目安であり、症例によってわずかな増減が生じる場合があります。
金属床
歯がほとんど残っていない方に提案する自費の入れ歯です。
頑丈な金属を使用しているので、極限まで薄く設計することが可能です。そのため装着時の違和感が少ないメリットがあります。
また金属の利点である熱伝導性に優れており、食事の「温かさ・冷たさ」が伝わりやすくなります。
選択肢3 インプラント
部分的、あるいはほとんどの歯を失ってしまった方に対して提案する治療法です。
失ってしまった箇所に人口の歯根を埋入し、そこを土台として人工の歯を入れる治療法です。
インプラントの最大の特徴は咬み応えが天然歯に1番近いという点です。また周りへの歯の影響も少なく、取り外しといった煩わしさがないのも大きな長所です。
しかし、外科処置を行う上に人工歯根・人工歯の費用負担がとても大きくなってしまうのが現実です。
これまでの外科経験に加え、インプラントに対する知識と技術の研鑽は絶えず行っておりますが、必ずしもインプラントがすべてという考えはありません。
前述したように、状況によっては何もしないという選択もありますし、インプラントを併用した入れ歯のほうが患者さんにとってベストな選択肢である場合もあります。
あくまで歯の欠損箇所を確認させていただき、場合によってはインプラントは選択肢の1つとして提案させて頂いております。