口臭の原因にアタック! 今すぐ取り組める口臭対策5選
口臭のおもな原因は、「お口の中のバイ菌が出す毒素(揮発性硫黄化合物)」であると、前回のブログでもお伝えしました。
つまり、口臭対策は、お口の中の口臭原因菌を減らして清潔にするだけで口臭の改善が見込めるというわけです。
今回は「お口の中の口臭原因菌を減らして、清潔にする方法」について、やさしくお伝えしていきます。
まずは歯磨きを徹底する
口臭対策の基礎中の基礎の話ですが、まずは丁寧なブラッシングに努める。これが口臭予防の大前提です。
具体的なブラッシングの回数・時間については、1回あたり3分以上かつ1日2回以上の歯磨きが推奨されます。余裕のある人は、プラスαでデンタルフロスや歯間ブラシを使用してみてください。
「歯間ブラシ、デンタルフロス、自分にはどちらを使えばいいの?」と悩まれる方は、是非一度ユキデンタルオフィスにお尋ねください。一人ひとりに合わせた指導をご提供しています。
ここで、歯磨きの重要度について例え話をしてみますね。部屋(=お口)に、ニンニク(=口臭原因菌)があり、部屋中が臭くなっていると想像してみてください。
歯磨きという行為は、ニンニクそのもの(=ニオイの原因)を取り除いていく根本的解決を目指す作業です。
その他の口臭対策は、いわば対症療法のようなもの。ニンニクの臭いに対して、消臭剤を使い、取り急ぎニオイを消す、そんなイメージです。消臭剤もうまく活用していけばより口臭改善が見込めますが、ニオイの元を取り除かないと、いつまで経っても臭ってきますよね。
大まかにご理解頂けましたでしょうか? 歯磨きって、それほど大切なんです。
舌苔の清掃をする
より口臭にアプローチしていくには、歯の清掃だけでなく、舌の掃除も習慣づけてみてください。口臭の原因の約6割が舌苔から発生しているというデータもあるほど、舌の清掃は想像以上に大切です。
舌みがきは1日1回が目安。朝の歯磨きの際に清掃するのがおすすめです。
乾燥を防ぐ
乾燥する時期は加湿器の使用、マスクの活用、小まめな水分補給、食事の際はよく噛んで唾液の分泌を促進するなどで、外的要因からくるお口の乾燥をブロックしていきましょう。
お口の乾燥すると口臭原因菌を増やし、ますますお口が臭くなる悪循環を作り出します。
洗口剤など補助的なグッズを使ってみる
マウスウォッシュやデンタルリンス、タブレットなどをうまく取り入れるとさらに口臭予防につながります。
お口を潤わせたり殺菌成分入りの洗口剤を利用したりすることで、口臭の改善が見込めます。お口のお悩みによってグッズの選択が違ってきますので、自分に合ったケアグッズについてはかかりつけ医にお尋ねしてみられることをおすすめします。
生活習慣を整える
食生活の乱れや喫煙、寝不足なども口臭に関係しているケースがあります。身体のコンディションによって、さらに口臭が強くなってしまう場合も想定されます。
口臭の原因物質【揮発性硫黄化合物】をやさしく解説!
口臭については、多少なりとも皆さんが興味を持たれるテーマだと思います。さて、この口臭の原因には、いろいろな種類があるのをご存じでしょうか?
口臭の原因としては「生理的口臭」「外因的口臭」「病的口臭」「心因性口臭」の4つに分けられます。
今回は、これら口臭原因の大部分を占める「口臭原因物質」について、わかりやすくお伝えしていきます。
口臭の原因物質、揮発性硫黄化合物(VSC)とは
口臭のおもな原因物質は、揮発性硫黄化合物(VSC)と呼ばれる物質です。揮発性硫黄化合物とは、かみ砕いてお伝えすると「お口の中のバイ菌が出す毒素」のような存在と言えばわかりやすいでしょう。
揮発性硫黄化合物は、口臭原因物質の約90%を占めると言われており、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの3つの成分から構成されています。これらの毒素が混じり合って、口臭を放つというわけです。
発生する仕組みとしては、お口の中のはがれた落ちた粘膜の細胞、食物残渣、歯周ポケット浸出液などのたんぱく質を分解されて、口臭の元=揮発性硫黄化合物が作られます。
硫化水素
硫化水素が放つニオイを例えると「卵が腐ったようなニオイ」です。お口に口臭の原因がある際に検出される口臭原因物質です。
硫化水素
硫化水素が放つニオイを例えると「卵が腐ったようなニオイ」です。お口に口臭の原因がある際に検出される口臭原因物質です。
メチルメルカプタン
メチルメルカプタンが放つニオイを例えると「たまねぎが腐ったような生臭いニオイ」です。歯周病、重度のむし歯、だ液線の機能低下などで検出される口臭原因物質です。
ジメチルサルファイド
メチルメルカプタンが放つニオイを例えると「キャベツの腐ったような生ゴミのニオイ」です。肝臓疾患などの全身疾患がおもな要因となって検出される口臭原因物質です。
ニオイの特徴を覚えて嗅ぎ分けて見れば、口臭の由来がわかる
是非とも、この機会にご自身のお身体(お口の健康)と向き合ってみてください。
小さなポリ袋を使い、自分の息を吐き入れ、すぐさまそのニオイを嗅いでみてください。ご自身でも「何が要因となって口臭があるのか?」がなんとなく掴めるはずですよ。
ご不明点があれば、ユキデンタルオフィスにお気軽にお問い合わせください。気になる口臭がどこから来ているのかを、わかりやすくご説明します。
むし歯や歯周病が由来の口臭であれば、歯石除去や歯周ポケット内クリーニングを行えば、わかりやすいくらいに口臭が減少していきますよ!
溝状舌に痛みが出るケースと病院を受診する目安
溝状舌は、舌が割れている特徴的な見た目から形状の異常性や「悪い病気になっていないか」などと心配になる方も多いものです。
今回は溝状舌について、治療が必要なときはどのようなタイミングであるのかということに着目してお伝えしていきます。
溝状舌は痛みや味覚異常がなければ、特に心配はいらない
溝状舌そのものは病的な疾患ではなく、溝状舌によってガンになりやすくなるといったこともありません。痛みや味覚異常などが伴っていなければ、特に心配はいらないです。
溝状舌の原因は先天性、または加齢など後天的要因によって起こる舌の表面形態の異常で、生まれつき髪の毛に直毛や縮れ毛があるように、個人差や個体差があるものです。
溝状舌に痛みが出るケースとは
では、溝状舌に痛みが出てしまうケースにはどのようなパターンが考えられるでしょうか。以下に痛みを引き起こしやすい要因を記載しました。
ストレス過多によってお口が荒れる
ストレスが多い生活の中でお疲れがたまってしまい、お口の中の粘膜が荒れることでヒリヒリと痛みを伴うことがあります。
お口の清掃不良、不潔
溝状舌は舌の溝に舌苔がたまりやすく、不潔になりやすいです。もともと歯磨きをサボりがちな方や自分に適した磨き方がよく分からない方は、より不潔になりやすいでしょう。
溝状舌が直接的な原因となって痛みが出てしまうというより、溝状舌の状態がお口の不潔な環境を加速させやすいので、結果的に舌炎のリスクが上がってしまうという理屈です。
また、溝状舌は高齢者でよく見られる疾患です。年を追うごとに免疫力の低下や唾液分泌量の低下が起こりますので、よりお口の衛生状態が悪化しやすい傾向があります。
ひび割れによる刺激物のしみやすさ
ひび割れ部分は炎症を起こしやすいので、香辛料など刺激物の強い食べ物を召し上がるとしみやすさを誘発します。
溝状舌の症状が気になる方は、まずは刺激物を避けてみるなど、食べ物の見直しをはかるとよいでしょう。
溝状舌の対処法|セルフケアで気を付ける点
溝状舌は、まずはお口の清潔が最優先。デリケートな舌には口腔ケア用の専用スポンジをおすすめします。
よく歯ブラシで舌をそのまま磨く方がいらっしゃいますが、歯ブラシは硬い歯に適した丈夫な作りをしています。柔らかい舌に使ってしまうと、誤って粘膜を傷つけてしまう恐れもあり、歯ブラシは使用されないのがベターです。
舌スポンジクリーナーを使用される際も、あくまで優しいストロークがコツ。1~2回程度、そっとなでるように舌を清掃していきましょう。
このような場合は病院を受診するタイミングです!
溝状舌自体はそのまま様子見で問題ないのですが、舌の痛みが継続的に続いている場合や、舌が白っぽくなっている、歯ぐきや舌が赤くただれているケースは一度病院に受診されることをおすすめします。
溝状舌に特効薬はないと言われていますが、対症療法で患者さんに合わせたオーダーメイドの治療を心がけています。消炎剤配合のうがい薬、悪習癖など溝状舌を誘発する要因がある方にはマウスピースや閉口テープの処方などが溝状舌の治療法として挙げられます。迷われた際は、まずは一度ご相談ください。
【溝状舌】舌が割れている原因とは? 症状の裏に潜んでいる疾患
溝状舌(こうじょうじた、こうじょうぜつ)とは、舌の表面に多くの深いシワ、溝が形成されるので、舌が割れてしまったように見える状態です。
溝状舌の原因としては、おおむね2つの要因があり、先天的要因と後天的要因に分けられます。では、詳しく溝状舌の原因を解説していきましょう。
溝状舌の先天的要因は遺伝性のもの
溝状舌のほとんどのケースが先天性溝状舌で、形成異常や奇形、変形症といった疾患に分けられます。
たとえばダウン症の方では、約80%の方に溝状舌が見られるという報告もあります。溝状舌は遺伝によって数代に渡り、同一家族内に発生が見られる場合も少なくありません。
このように生まれついて舌にひび割れが見られる方は、特に治療の必要性はなく経過観察が一般的です。
しかしながら、舌に溝があるが故に細菌が付着しやすく、舌苔がたまりやすい問題もあります。ですから、こまめなお口の清掃で舌表面の清潔を維持する必要性があります。
溝状舌の後天的要因
感染
細菌感染や、結核や梅毒といった特殊な感染症、カンジダ症、ウイルスによる単純性疱疹などで溝状舌が見られる場合があります。
このような感染症が起因しているものは、痛みを伴うケースが多いです。
外傷
誤って舌を噛んでしまう、むし歯などで尖ってしまった歯や不適合のつめ物、熱い食べ物による火傷など、これらの外傷によって舌が傷つき、炎症が起きることで細菌に感染して腫れたり、化膿したりすることも。
ビタミン不足
胃腸炎やがんなど疾患によって1日に取るべき栄養素の摂取量が極端に減少してしまうことがあります。そうなると、舌のターンオーバーがうまく促せずに正常な上皮が生成されず、それに伴い舌の表面に亀裂を生じることも。
しかし、通常の生活を送っている限り、舌に症状が出るような栄養不良になることはまずありませんので、どうぞご安心を。
メルカーソン・ローゼンタール症候群
メルカーソン・ローゼンタール症候群は溝状舌を併発するという報告もあります。メルカーソン・ローゼンタール症候群とは、むし歯などお口の病気、鼻や副鼻腔(ふくびくう)の病気が原因で口唇が蜂に刺されたように大きく腫れ、再発を繰り返す病気のこと。
何回も再発を繰り返すうちに腫れが引かなくなり、舌には大きく深いシワができて、顔面神経も麻痺してしまうのです。
重要なのは、溝状舌はお口の清潔さを保つこと
溝状舌の原因は2つの原因に分けられますが、ほとんどはダウン症候群など先天性要因である場合が多いです。
症状がなければ治療は不要とされていますが、舌の溝に舌苔がたまりやすく、不潔になりやすいです。これらから、お口の中の清潔が保てるよう、プロの定期的なクリーニングを受けられることをおすすめします。
舌痛症に効くとされている薬や治療法とは
舌痛症になる原因は、いまだに分かっていない部分が多く、治療方法も一律ではありません。しかし、舌痛症の多くは症状を軽くする治療法、つまり「対症療法」で様子を見ていくケースが多いです。
今回は舌痛症と診断されたとき、どのような治療方法で舌痛症の症状を軽快させるのかについて触れていきます。
亜鉛補充療法
舌がピリピリする、痛みがある、しみるなど慢性的な舌痛症の症状のある方の一定数は、亜鉛欠乏症であるケースが多いです。
亜鉛不足は味覚を感じにくくなったり、皮膚や粘膜の傷の治りが悪くなったりするなどを引き起こしやすいです。これらから舌痛症の治療では、医師や歯科医師の指導のもとで多めに亜鉛を摂取していきます。
多くの患者さんは1~3カ月程度で症状が軽快するケースが多いです。
抗うつ薬
舌痛症の方のなかには心理的なストレスを抱えていることがあります。神経症やうつなど考えられる患者さんに有効な治療法は、抗うつ薬や抗不安薬を用いた薬物療法です。
「え?舌が痛いのにうつの薬?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、抗うつ薬には抗うつ作用とはまた違った働きで鎮痛作用も持ち合わせており、痛みを和らげる効果も期待できるんですよ。
抗うつ薬で治療を進めた方がよい場合、一般的に歯科領域ではうつに対する投薬を十分に行うことができません。効率的な治療を進めるためには精神科、心療内科の受診をおすすめする場合もあります。
漢方薬
東洋医学の視点から舌痛症を捉えると、漢方独自の概念である「熱」が関与していると考えます。漢方薬には唾液の分泌を促す作用や心因的な要因を取り除く作用が期待できます。
舌痛症の原因が熱の場合は、熱を鎮める漢方薬を服用してもらうことで痛みが治まるケースも。
漢方薬による舌痛症の治療は、ごく一部の歯医者でしか行われておらず、一般的には心療内科や内科領域で治療される場合が多いです。
認知行動療法
舌痛症が心因的な原因が絡んでいる場合、マインドフルネス法などでアプローチしていき、症状の改善を促します。
マインドフルネス法とは、第三者的に自分の行動を見つめてもらう練習のことで、リラックス方法の学習、呼吸法や自己観察などで痛みのコントロールを目指します。
また、認知行動療法のなかには集団指導をおこなう場合もあります。患者さん同士のコミュニケーションの場を設けることで互助的な効果を期待できるからです。
舌痛症は原因が複雑、歯科領域外で対応することも
舌痛症はお伝えした通り、口内環境や身体のトラブルに起因しているケースのほかにも心因的な要因も絡んでいることが多いです。
一見するとお口のなかに何も見られなくても、かみ合わせの問題や被せ物など、結局のところはお口のなかに原因が潜んでいることも十分にあり得ます。まずは当院へお気軽にご相談ください。
ストレスだけではない! 舌痛症の原因とは
舌の側面や先端付近に熱くてヒリヒリとする感覚、痛みや違和感がある…。これら舌の不快症状があるにもかかわらず、舌自体に変わったところは見られない。
こういった症状から、根本的な原因が見当たらない舌の疼痛を「舌痛症」と呼びます。
舌痛症のはっきりとした原因は、現段階ではよくわかっていません。しかし、臨床的には下記のような原因から舌痛症が起こるのでは?と考えられています。
強いストレスやうつ病
舌痛症の患者さんのなかには、不安や抑うつといった気分障害を抱えている方も少なくありません。例えば舌癌などを心配される方も多くいらっしゃいます。他にもお口の乾きや味覚異常などを訴えられる方もいらっしゃいます。
また、舌痛症になりやすい性格の傾向としては、完璧主義、几帳面、神経質な方がなりやすいと言われています。そういった気質の方が、環境の大きな変化などでストレスマネジメントが難しい状況になると、より痛みが増すと考えられています。
いずれにせよ、舌痛症と精神疾患領域は密接な関係があると言えるでしょう。
栄養不足
ビタミンB12、鉄、亜鉛が欠乏すると、舌に炎症が起きて舌の表面が荒れやすくなり、舌の痛みを生じやすくなります。
微量元素やビタミン不足の場合は、その物質を補充すれば容易に症状は改善することがあります。この対処法であまり良くならない場合は心因性と捉えることも。
エストロゲンの低下
舌痛症はおもに更年期以降の方が多い傾向にあり、女性の患者さんが多数を占めます。そういった背景から性ホルモンなど内分泌機能異常が舌の痛みに影響していると考えられています。
例を挙げると、閉経後の患者さんが舌痛症を訴えられた場合、唾液中の卵胞ホルモンが減少していたという報告もあげられています。しかし、舌痛症のような突発的な痛みにおいて、性ホルモンやストレスホルモンの変化が具体的にどういった影響を及ぼすのか、詳細は明らかにはされていません。
舌が痛い、ピリピリする…などで日常生活にお困りの方はぜひご相談を!
舌痛症のおもな原因は心因性と捉えられています。しかし、「舌が痛い」そのものに関しては別の要因(合っていない入れ歯や補綴物、貧血やドライマウス、カンジダ症など)が関係しているケースも少なくありません。
ユキデンタルオフィスでは、舌の痛みや不快症状に対して考えられる要因を丁寧に診ていきますので、お困りの方はぜひ一度ご相談ください。
ドライマウス対策|すぐに行えるセルフケア6選
お口がネバつく、喉が痛む、口臭がする…。前回、ドライマウスの症状についてお話しさせていただきました。今回は、自宅でできるドライマウス対策についてもお伝えしていきます。
お口の不快感を緩和させて少しでも健やかな状態に保てるよう、1つずつ対策を確認しておきましょう!
お口の渇きを促す飲食物を控える
塩分やカフェイン、アルコールはお口の渇きを促進させてしまいます。なぜならば、カフェインやアルコールには利尿作用があるので身体の水分量を減らしてしまうからです。
また、香辛料や油っこい食べ物も避けた方がよいでしょう。
タバコを控える
タバコにはお口の粘膜を炎症させる物質が存在します。お口の中が渇くだけでなく、刺激により、食事が取りにくくなる場合も。
タバコはお口の渇きを進行させる1つの要因ですので、控えられた方がベターです。
保湿対策を取る
マスクを常時着用してお口の潤いを保ちやすくする、もしくは空気中の乾燥を防ぐために加湿器を取り入れるのもよいでしょう。
また、お口の渇き対策として保湿剤が市販されています。スプレータイプなど日常生活に取り入れやすい保湿剤も販売されているので、これら保湿グッズをうまく活用されるのもおすすめです。
よく噛む習慣をつける
よく噛むことは唾液腺を刺激して、唾液の分泌を促します。ガムなどを召し上がったり、あえて歯ごたえのある食事を取ったりして工夫することもポイント。
少しずつ、よく噛んでゆったりと食事を召し上がるように心掛けてみましょう。
良質な睡眠を取る
唾液は自律神経によってコントロールされており、ストレスや睡眠不足で自律神経が乱れて唾液分泌が減ってしまうことも。
これらの理由から睡眠時間をきちんと確保することや、なるべくストレスを減らす生活を行うことが大切です。
しかし、ドライマウス症状がある方のなかには夜間のお口の渇きがツラい方もいらっしゃるでしょう。このような方は歯医者さんで対策を取った方が不快症状をスムーズに解消できる場合もあります。
夜間の乾燥対策としては、モイスチャープレート(マウスピースのような器具で就寝時に装着し、潤いを保つ)や保湿剤を処方するなど、患者さんの状況に合わせたご提案を行います。
「お口の渇きで満足に寝られない」といった方は、まずはお気軽にご相談くださいね。
ドライマウスにおすすめの食べ物
ドライマウス症状におすすめの食べ物は以下です。
・柑橘類(ミカンやレモン)
・梅干し
・キシリトール入りのガム
・ドライフルーツやするめなど硬い食べ物
・昆布、納豆
硬い食べ物はあごをよく動かして唾液分泌を促します。また、酸っぱい食べ物は反射性の唾液分泌を呼び起こして、唾液量を増加させやすくします。
昆布や納豆といった食品には唾液分泌を促進させると言われているアルギン酸やポリグルタミン酸が含まれています。
のどの痛みや咳も…ドライマウスの症状に見られるもの
唾液の量が減少し、お口のなかが乾燥した状態のことを「口腔乾燥症」別名、ドライマウスと呼びます。
今回はお口が乾きやすく、「もしかしてドライマウスかも?」と気になっている方へ向けて、ドライマウスの主な5つの症状を一緒に確認していきましょう。
のどに痛みがある
ドライマウスによって唾液量が減ると、お口が渇きますので喉も乾燥しやすくなります。慢性的な喉の渇きによって、喉の腫れ感や痛みを訴える方もいます。
ちなみに、唾液分泌が減少傾向にないとしても、人によっては乾燥感やのどの渇きを感じるケースも。これらの症状も広義の意味でドライマウスに含まれます。
口のなかがネバネバする
お口の中がネバネバして不快症状があるという方はドライマウスかもしれません。唾液の量が減るとお口の潤いを保つことが困難になりますので、お口の中のネバつきやヒリヒリ感につながるのです。
しかし、これらの症状はドライマウスの軽度症状であることが多いので、少しでも気になる方は早めにご相談くださいね。
口臭が強い
唾液分泌量が大きく減ってしまうと、お口の自浄作用や抗菌作用が弱まりますので、むし歯や歯周病に感染するリスクが高まります。
また、唾液はお口の汚れを洗い流す自浄作用があるのですが、ドライマウスによって天然の自浄作用がうまく働かず、歯垢がたまりやすくなることも。
これらによって、口臭が強くなることもあるのです。
舌が痛い
舌がヒリヒリした痛みや燃えるような熱さがあるといった方は舌痛症(ぜっつうしょう)の可能性を疑います。ドライマウス患者全体の約3分の1が何らかの痛みを伴い、特に舌痛症を持っている方が多い傾向です。
特徴としては、舌の痛む箇所が日によって変わったり、何かに集中しているときは舌の痛さを一時忘れられたりするなどが挙げられます。
舌痛症のなかにはドライマウスが起因しているケースも多く、その際はドライマウスの治療も併せて行います。
舌のひび割れ
ドライマウスが進行していくと、舌の粘膜も乾燥して舌にヒビが入ったようになる場合もあり、これを溝状舌と呼びます。
舌の中央部に大きな溝や数本の溝、不規則で小さい溝など多数の溝が見られる状態で、症状としては刺激物による痛みなどが挙げられます。
お口の不快症状を感じたら気軽にご相談を!
お口のなかのネバつきや渇きにに関しては、緊張したり強いストレスを受けたりするなどで、交感神経が優位になると一過性の症状として表れることもあります。
これらから、患者さんのお困りごとが本当にドライマウスであるのか、もしくは一過性症状であるのか、見極める必要性があると言えます。
もし、上記の症状がある方はお気軽にご相談くださいね。患者さんに合わせた治療をご提案いたします。
ドライマウス|代表的3つの原因と他疾患の関連性とは
ドライマウスの原因はストレスや薬の副作用、口呼吸などの悪習癖、アルコールやタバコが挙げられます。他にも潜んだ病気が隠れているケースもあります。
今回は、「お口が以前よりも乾きやすくなった」「お口のねばつきを感じる」といった不快症状のある方へ向けて、ドライマウスの代表的な3つの要因と、他疾患とドライマウスの関係性までお伝えします。
服用している薬の副作用
ドライマウスは「薬の副作用によるのもの」が、実は1番多いです。意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。お口が乾くという主訴で来院された方は、服用している薬をまずチェックしていきます。
具体的にドライマウスになると考えられている代表的なお薬は以下4つです。
・うつなど向精神薬
・抗アレルギー薬(花粉症など)
・循環器系の薬
・気管支拡張など呼吸器の薬
ストレスによる自律神経の乱れ
交感神経の刺激によって唾液の分泌量が減り、お口が乾きやすくなります。例えば、人前で緊張するとお口が乾きやすいですよね。このように、ストレス=心身の緊張感が長期的に続くとドライマウスの症状が定着してしまうこともあります。
口呼吸
お口で呼吸する口呼吸の方は、慢性的にお口が乾く状態を作りやすいです。唾液の分泌はあるのですが、唾液が蒸発してしまうからです。
口呼吸は風邪などの一過性のものもありますし、歯並びの関係でお口がポカーンとあきやすいなど、さまざまな要因が考えられます。
加齢によるもの
唾液は1日あたり概ね1000~1500ml分泌されるのですが、加齢に伴って唾液腺は徐々に委縮していきます。そうすると唾液が出にくくなり、ドライマウスを引き起こすこともあるのです。
ただし、加齢だけでドライマウスと診断されることはほぼありません。加齢にプラスして、何か他にドライマウスになる原因が潜んでいる方が多いです。
他疾患との関連性によるもの
ドライマウスは、まだ発症していない疾患が潜んでいるケースが少なからず存在します。
例を挙げると、以下の4つです。
・糖尿病
・腎臓病の病変症状
・シェーグレン症候群
・更年期障害
ドライマウスの検査から、糖尿病などが発見されるなど、病気の症状としてドライマウスが出てくるのです。
慢性的なお口の乾きを感じている方は、ぜひ受診を!
お口の中が乾くと、食べ物が飲み込みにくい、唾液の持つ自浄作用が失われて歯周病や虫歯になりやすくなるなど、生活の質(QOL)が大きく失われます。
「たかが口の乾燥でしょ」と簡単に考えず、どうぞお気軽に当院へご相談くださいね。
歯ぐきや舌にできる白板症の診断方法~治療法までわかりやすく解説
白板症は前ガン病変の代表的な疾患とされており、注意を払うべき疾患です。白板症のおよそ3~5%がガン化するといった報告もあるんですよ。
もちろん、ご心配のないケースもありますので、白板症の可能性がある方は、お口の状況によって適した検査をおこない、治療・経過観察といった選択を取っていきます。
今回は、歯ぐきや舌が白く、「もしかするとガンなのかな……。」とご不安な方へ向けて、白板症の症状や治療法までやさしく解説します。
白板症の症状
歯ぐきや舌などが白い
白板症はお口の粘膜部分(歯ぐきや舌、頬の内側など)が硬くなり、柔軟性がなくなります。粘膜の表面は、白色の板状また斑状の病変ができます。
粘膜の白い部分はこすっても除去はできず、表面は盛り上がりや崩れがあったり赤い斑点があったりすることもありますが、なめらかな場合もあります。
自覚症状は基本的には無い
痛みもかゆみもなく、歯ぐきや舌などが白いという以外は自覚症状がないことがほとんどです。また、擦過痛などでお食事に支障が出ることもありません。
注意が必要なお口の症状とは
万が一、口腔ガンであった場合も初期症状では痛みを感じる方はほとんどないです。
しかし、以下のケースでは、白板症が悪化しているケースがあり、そのままガン化する可能性も少なからずありますので、早期に受診されることをおすすめします。
・潰瘍がある
・表面が凹凸でひび割れしている
・接触痛がある(食事を取ったら痛いなど)
・患部の赤みなどを伴う
白板症の診断方法
白板症の診断方法は視診と触診をおこない、原因とその対策を講じます。具体的には、歯を丸めたり、入れ歯調整、歯磨き指導などをおこなったりして粘膜を傷付ける可能性がある要因をできる限り取り除きます。
歯医者さんで上記の処置で対策を取り、それでも改善しない場合は専門機関へ紹介し、擦過細胞診や病理組織検査で診断確定をする必要があるでしょう。
白板症の治療法
白板症と診断され、病気のある箇所への刺激となる要因があればそれを取り除く必要があります。
治療方法は病変を切り取り、経過観察していくのが基本です。治療後も病変のあった箇所は刺激しないことが大切。喫煙やビタミンA・Bの不足、不適切な歯磨きなどで白板症が起こる可能性もあります。これらのことから食生活と生活習慣の改善に取り組み、慎重な経過観察をおこないます。
白板症が心配、不安な方は早めの受診を!
白板症が自然に治癒することは難しく、原因をなくしたとしても簡単には治らないです。
早期で発見すれば対症療法で改善できるケースもありますので、少しでもお口の粘膜に異変を感じたらすぐに歯医者にご相談くださいね。