こんにちは。歯科医師の小場です。
今回は特に初期症状の中で口内炎や歯周病・歯肉炎などと間違えられやすい「口腔癌(こうくうがん)」の初期症状をお伝えします。
口腔癌とは、口の中や唇にできるがんを総称した呼び方のことです。
「傷をつけた記憶がないのに、粘膜がただれている」「歯ぐきにしこりがある」といった症状がある方は、一度チェックしてみてください。
口腔癌の初期症状はセルフチェックが大切
初期段階のうちに口腔癌が判明すれば、5年生存率が90%を超えるほど、完治する可能性が高い疾患です。
しかし口腔癌は、初期の段階ではほとんど痛みなど自覚症状がなく進行していきます。お口に痛みが出て来た時には、すでに進行してしまっているケースも、残念ながら多くあります。
したがって、口腔癌は常日頃のセルフチェックが重要です!疑わしいところがあれば、迷わずかかりつけの歯医者で診てもらいましょう。
口腔癌の初期症状|4項目をチェック!
自分でも行える口腔癌のチェック項目を下記に記載しました。以下の4項目について、舌や唇・頬の内側、歯肉などお口全体を丁寧に観察していきます。
また実際にお口の中に手を入れてみて、しこりや腫れがないかどうかも確認してみましょう。
お口の中に腫れやしこり、変色がある
口の中を触ってみて、硬くなっている箇所があったり腫れやしこりがあったり、舌や粘膜の白っぽい、もしくは赤っぽい変色がある方は要注意です。
代表的なのが「白板症(はくばんしょう)」といって、舌や口の中にこすっても取れない白い病変。将来的にがんに発展してしまう可能性も少なくないため、白板症が生じたら事前に切除などの治療を行うケースもあります。
2週間以上たっても治らない口内炎がある
2週間を経過しても治らない口内炎においても留意しましょう。
お口の中に違和感がある
歯の粘膜がただれている、歯ぐきの出血や歯のぐらつきなど違和感があるといった場合は、歯周病と誤解されやすいのですが、口腔癌の症状であるケースも考えられます。
また、合わない入れ歯を無理して使用し続けるのも、お口の中へ強い刺激となってがんのリスクが高まります。入れ歯の違和感は早めに歯医者さんで改善しましょう。
しびれがある、頬・舌の動きが悪い
舌や頬の動きが悪く、食べ物が以前よりも飲み込みにくいといった方は、見た目は変わらなくとも気を付ける必要があります。
また、お口のしびれや麻痺している気がするといった場合も、一度歯医者で受診を検討しましょう。