こんにちは、ユキデンタルオフィス・院長の小場です😀
前回のブログ「笑気吸入鎮静法の特徴と安全性について」で、笑気吸入鎮静法は思っていたよりも、安全かつ副作用のすくない治療であることがお分かりいただけたでしょう。
今回は「どういった流れで笑気吸入鎮静法は行われるのか?」といったことを解説いたします。
笑気吸入鎮静法の治療の流れを大別すると4つに分けられます。実践的な笑気吸入鎮静法の手順が理解できることで、患者さんの歯科に対する恐怖心や不安感を軽減する一助となれば幸いです。
手順➀ モニタリングの下準備
笑気を吸入する前に、モニタリングの準備は欠かせません。患者さんのささいな体調変化を見逃さないように、血圧計やパルスシメータなどを装着して、事前準備をします。
手順② 鼻マスクを装着する
患者さんに笑気を吸ってもらうための鼻マスクを装着いたします。装着後は徐々に笑気濃度を20~30%程度に上げていきますが、笑気には「至適鎮静濃度」といって、効き過ぎないように、ちょうどよいバランスを保つ必要があります。
したがって、バイタルサインを取りつつも、患者さんの表情そのもの(目の瞬きや焦点)や呼吸の動きに対しても気を配りながら、こちらの呼びかけに関してもきちんと応じてくれているか?といったチェックを行っていきます。
手順③ 歯科治療の開始
バイタルサインや呼吸・表情などを判断材料に、患者さんが十分にリラックスできたのを確認してから、いよいよ治療がスタートいたします。
患者さんが治療中に痛みを訴えた場合は局所麻酔を追加していきますが「麻酔は怖い」と抵抗感が強い方でも、笑気の効果によってリラックスした状態になっているので、スムーズに治療を進めていきやすいです。
なぜならば、笑気には鎮静・鎮痛作用がありますので、笑気を用いたケースではリラックスすると同時に痛みを感じにくくもなるからです。
つまり、笑気を吸入させた状態で麻酔を行えば「痛みをとるための麻酔が痛い」といったストレスが軽減された状態で治療を受けられるというわけです。
手順④ クールダウン
治療後は速やかに笑気吸入を中断し、100%濃度酸素を5分以上吸入していただいたあとは、鼻マスクを外して、患者さんに足元のふらつきや気持ちの悪さなどがないか確認してから、待合室へとご案内いたします。
笑気の効果は、発現もスピーディーですが、消失に関しても速やかな点が大きなメリットの1つ。しばらく待合室でお待ちいただきクールダウンをしてもらえれば、そのままご帰宅してもらうことが可能です。