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2024.12.24

義歯が原因で起こる褥瘡性潰瘍とは?症状・治療法・予防まで徹底解説


褥瘡性潰瘍(じょくそうせいかいよう)は、義歯の圧迫や摩擦が原因で発生する口腔内の損傷です。いわば、口のなかにできる「床ずれ」のような状態を指します。

本記事では、褥瘡性潰瘍の原因や症状、好発部位、治療法、そして予防策について詳しく解説します。

褥瘡性潰瘍の原因

褥瘡性潰瘍の主な原因は、お口のなかで発生する物理的な刺激です。不適合な義歯や尖った歯、詰め物、被せ物などが繰り返し粘膜を傷つけることで発症します。

特に以下の状況が褥瘡性潰瘍のリスクを高めます。

・不適合な義歯:長期間使用された義歯は、形状が合わなくなることで過度の圧力を引き起こす
・高齢者:粘膜が薄くなるため損傷を受けやすく、乾燥や栄養不足が影響を与えることも
・慢性的な刺激:小さな損傷が治癒する前に再度刺激を受けることで潰瘍が進行しやすい

褥瘡性潰瘍の症状

褥瘡性潰瘍の特徴的な症状として、口腔内に平坦で黄色または灰白色の膜で覆われた潰瘍が現れます。潰瘍の周囲は軽度の発赤が見られることが一般的ですが、痛み自体はそれほど強くありません。

しかし、放置すると二次感染が起こり、症状が悪化する可能性があります。特に食事や会話の際に違和感や軽い痛みを訴えることが多いです。

適切な対処が行われれば、通常1週間程度で治癒します。ただし、放置すると二次感染や重症化を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。

褥瘡性潰瘍が好発する部位

褥瘡性潰瘍は、以下の部位に発生しやすいとされています。

・舌:義歯や歯の尖った部分が直接触れることで傷つきやすい
・頬粘膜:特に頬の内側にある粘膜は、食事中や会話時に義歯と擦れやすい
・歯肉と頬(または舌)との移行部:義歯の圧力や動きによる影響を受けやすい
・口蓋:特に上顎義歯の適合が悪い場合に刺激を受けやすい

褥瘡性潰瘍の治療法

褥瘡性潰瘍の治療では、原因を取り除くことが最優先です。以下のような治療法が一般的です。

・義歯の調整:不適合な義歯を修正し、粘膜への過度な圧力や摩擦を軽減
・尖った歯や詰め物の処置:鋭利な部分を滑らかに削ることで粘膜への刺激を緩和
・口腔ケアの徹底:お口のなかを清潔に保つことで、感染リスクを防ぐ。塗り薬を処方することも

褥瘡性潰瘍の予防方法

褥瘡性潰瘍を予防するためには、以下のポイントが重要です。

・義歯の定期検査:少なくとも半年に一度は義歯の状態を歯科医に確認してもらう
・正しい使用方法の徹底:義歯を清潔に保ち、就寝時には取り外す習慣をつけることで粘膜の負担を軽減
・お口の観察:鏡を使って定期的に粘膜の状態を確認。異常を感じたらすぐに歯医者へ相談する
・栄養バランスの取れた食生活:粘膜を健康に保つために、栄養価の高い食事を心掛ける

まとめ

褥瘡性潰瘍は、義歯や歯科補綴物が引き起こす慢性的な刺激によって発生する疾患です。適切な調整やケアによって、短期間で治癒することが可能です。

日常的な予防策を取り入れることで、発症リスクを大幅に低減できます。義歯を使用されている方は、定期的な歯科検診を受けることを心掛け、快適な口腔環境を維持するよう努めましょう。

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