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2024.11.19

骨粗鬆症の抜歯に伴うリスクや外科処置のポイントを解説


骨粗鬆症の治療薬を服用している方が抜歯を受ける際には、顎の骨に負担がかかるリスクもあるため、慎重な対応が求められます。この記事では、骨粗鬆症治療中の方が安心して治療を受けられるよう、抜歯を含めた注意点をご紹介します。

骨粗鬆症治療と抜歯リスクの関係性

骨粗鬆症は骨密度が低下して骨がもろくなり、骨折のリスクが高まる病気です。日本では1,300万人以上がこの病気を抱えているといわれています。

骨粗鬆症の治療には、骨が壊れにくくするための薬が使われていますが、これには少し注意が必要です。具体的には、ビスホスホネート製剤やデノスマブといった薬があり、これらは骨を強く保つ作用がある一方で、副作用として顎の骨が壊れてしまうリスクがあるのです。

この顎の骨の問題は「薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)」と呼ばれ、顎の骨が壊死する状態を引き起こすリスクがあります。したがって、これらの薬剤を使用している患者さんが抜歯やインプラントなどお口の外科的処置を行う際には、通常のケースに比べてより慎重な対応が求められます。

骨粗鬆症患者さんのための抜歯前後の注意点

骨粗鬆症治療薬を服用している場合、抜歯の前後で気をつけるべきことがいくつかあります。以下に、主な注意点をまとめました。

抜歯前

まず、骨粗鬆症治療薬を服用している方が抜歯など外科処置を行う際には、必ず歯科医師にその服用状況を伝えることが大切です。特に、内服薬や注射薬の種類によっては、顎骨壊死(MRONJ)のリスクが生じることがあります。

しかし、近年の研究により、骨粗鬆症治療薬の継続を前提に抜歯を行うことが推奨されるケースも増えてきていますので、個々の症例に応じた判断が求められます。自己判断で薬を中断せず、歯科医師や主治医と相談の上、必要に応じて最適な方法を決定していきましょう。

また、お口の中の感染源を減らすため、歯周病治療なども予防の一環として非常に重要です。

抜歯時

抜歯時には、できるだけ負担の少ない方法を選び、歯科医師が細心の注意を払いながら処置を行います。

場合によっては、抗菌薬を予防的に使用して感染リスクを減らすことが推奨されます。また、骨粗鬆症の程度や処置の難易度によっては、設備の整った口腔外科での対応が望ましいケースもあります。

抜歯後

抜歯後は、感染予防のために丁寧な口腔ケアを続けることが不可欠です。抜歯窩がしっかり治癒するまでの間、必要に応じて抗菌薬が処方されることもありますので、歯科医師の指導に従ってケアを行いましょう。

また、抜歯後の定期的な経過観察も欠かせません。痛みや腫れが続く、異常を感じる場合は、速やかに歯科医院で診察を受けるようにしてください。

まとめ

骨粗鬆症患者さんが安全に抜歯を受け、健康な口腔環境を維持するためには、リスクの理解と適切なケアが欠かせません。

抜歯や口腔手術に伴うリスクが懸念される場合でも、歯科医師との連携を深め、健康を守るための対策を講じることが重要です。

骨粗鬆症治療を受けている方が安心して歯科治療を受けられるよう、歯科医師の専門的なサポートを活用し、健康な日常生活を目指しましょう。

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