口腔扁平苔癬は、お口のなかに発生する扁平苔癬の一種です。お口のなかの粘膜に、幅1〜2mmぐらいのレースや網状の模様が見られます。この網状模様の内側には、白い線状の部分があり、その周りは赤くなったりびらんが見られたりすることがあります。時に痛みや不快感を伴うことも。
この疾患は扁平苔癬のなかでも珍しい部類に属し、罹患率は、0.02%〜0.22%と報告されています。正確な原因は不明ですが、免疫系の問題が関与していると考えられています。
口内扁平苔癬は早期に治療しないと悪化する可能性があるため、適切な対処法と治療が必要です。
口腔扁平苔癬の一般的な治療方法
口腔洗浄剤の使用
補助的な治療になりますが、一般的な扁平苔癬の治療となるのが「うがい」です。
うがい薬には、アズノールやネオステリングリーン、イソジンが使われます。
1日7回程度、2~3時間おきに、ぶくぶく・ガラガラとお口のなかにうがい薬をまんべんなく行きわたらせて長くうがいを行い、お口のなかの清潔を保つことで症状を軽くします。
ステロイド軟膏の塗布
炎症を和らげ、かゆみや腫れを緩和するために用いられます。
しかし、ステロイド軟膏の長期間の使用は副作用として口腔カンジダ症などの感染症を合併させたり、傷の治りを遅くしたりするリスクを引き起こすことがあるため、医師の指示に従って使用する必要があります。
レーザー治療
レーザーを使用して患部の組織を加熱、蒸散することで、症状の改善が見込まれます。
痛みの軽減などである程度の効果が見込まれるものの、再発する可能性も否定できず、口腔扁平苔癬が悪化したり、症状も悪化するリスクがあります。
よって、個々の症状や健康状態に応じて治療法を選択します。
かぶせ物の再治療
口内扁平苔癬の原因として、金属製のかぶせ物が影響している可能性が考えられます。特に、アマルガム合金(水銀を使用した銀の詰め物)による影響が大きいとされています。
したがって、金属アレルギーと診断された方や前述の治療方法を試したにもかかわらず症状が改善しない場合、銀歯をセラミックやプラスチックの詰め物・かぶせ物に再治療するケースもあります。
まとめ
口内扁平苔癬は、口腔内に発生する稀な扁平苔癬の一種です。早期の治療と適切なケアが症状の軽減や改善につながります。
口腔洗浄剤の使用やステロイド軟膏の塗布、レーザー治療などが一般的な治療法として利用されます。
不安がある方は、速やかに歯科医師に相談して適切なアドバイスを受けるようにしましょう。