「ガマ腫」とは、ガマガエルが喉を膨らませたような見た目に似ていることから名付けられた病気で、唾液線の1つである舌下腺の導管損傷によって生じます。
どのような見た目かと言うと、粘膜の下に唾液が貯留してできたもので、お口の底に透明感のあるドーム状の膨らみを作るのが特徴です。
本記事では、ガマ腫の原因として考えられるメカニズムについて解説します。
ガマ腫の原因①:機械的な刺激
ガマ腫の原因についてははっきりと明らかになっていませんが、専門医の間では「このような原因が考えられるのでは?」といった意見が交わされています。
代表的な3つの要因のうち、1つ目は歯ブラシの当て方や食事の際に頬や舌を誤って噛んでしまうことで粘膜が傷つき、唾液が貯留してガマ腫に変化する可能性があることです。
機械的な刺激によって炎症が起こり、唾液の出口が閉ざされて唾液が貯留されるため、ガマ腫が発生すると考えられています。
ガマ腫の原因②:先天的要因
一方で、外的刺激で口内炎になることぐらいは誰にでも起こり得ることです。
では、ガマ腫になってしまう人とならない人の違いとはなんでしょうか?これは遺伝的なもの、つまり先天性の脆弱性があるという見解もあります。
舌下腺から唾液漏れが増加するのに対して、元に戻ろうとする力(伸ばされた粘膜や皮膚)が弱くなっており、バランスを崩し続けている状態がガマ腫につながると言えます。
そのため、ガマ腫の大きさは日によって変動し、例えば食事の前後で大きくなったり小さくなったりすることがよくあります。
ガマ腫の原因③:矯正装置
ガマ腫は、特に10〜30代の女性に多く見られる疾患です。この年齢層では、歯列矯正治療がよく行われます。
歯列矯正治療は金属ワイヤーなどを使用していることが多く、お口のなかの組織を傷つけやすい特徴があります。
また、治療期間は通常数年にわたり、固定装置が一般的であるため、矯正器具が口腔内に当たり続けることにより、慢性的な炎症が起こることがあります。このような炎症が続くと、ガマ種を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
ガマ腫とは、舌下腺の導管損傷によってできるドーム状の膨らみのことです。ガマ腫の原因には、機械的な刺激や先天的な脆弱性、矯正装置による慢性的な炎症などが考えられます。
具体的には、歯ブラシの当て方や食事中に舌や頬を誤って噛むことが原因になることが挙げられます。また、遺伝的な要因もあるため、なってしまう人とならない人がいます。
また、歯列矯正治療を受けている10〜30代の女性によくある疾患であるため、注意が必要です。