親知らずは最後に生えてくる歯ですが、生えるスペースがなく斜めに生えたり、むし歯や歯肉炎を引き起こすことが多いため、抜歯が必要になることがあります。
今回は、抜歯の方法から治療費用、抜かずにいるとどんなリスクがあるのか?まで、ケースごとにご説明します。
親知らずの生え方①:真っすぐ
抜歯方法
歯ぐきの腫れなどがない状態で抜歯を行うのが前提です。抜くことは比較的簡単な場合が多いので、痛みや腫れも少ないです。
親知らずの周囲に麻酔を行ったあと、ペンチのようなものを使って親知らずを左右にゆっくりと動かし、脱臼させてから抜歯を行います。
治療費用
歯科医院によって若干異なりますが、処置代は2000円〜3000円程度となります。(初診代やレントゲン、清掃代などを除く)
抜かずに放置すると、どんな問題があるか?
真っすぐに生えているとはいえ、歯ブラシを当てるのは大変難しいです。そのため、親知らずやその手前の歯まで悪影響を及ぼして、むし歯になりやすいリスクがあります。
親知らずの生え方②:真横(水平埋伏)
抜歯方法
真っすぐに生えている親知らずの抜歯方法よりも少し複雑になります。歯ぐきの切開と歯冠分割といって、歯の頭の部分だけを取り出す処置を行ったあとに、歯の根っこを抜歯していきます。
歯ぐきを切開しているので、抜歯後は縫合(糸で歯ぐきを縫う)します。そのため、抜糸の処置も必要になります。
また、下の親知らずの場合、下歯槽神経との距離を確認して神経を傷つけないように配慮しながら慎重に抜歯を行います。
治療費用
歯科医院によって若干異なりますが、処置代は3000円〜5000円程度となります。(初診代やレントゲン、清掃代などを除く)
抜かずに放置すると、どんな問題があるか?
親知らずが真横に生えていると、手前の7番目の歯に圧力をかけ、下の前歯の歯並びを崩すことがあります。また、歯の痛みだけでなく頭痛の原因にもなることがあります。
親知らずの生え方③:斜め(半埋伏)
抜歯方法
真横(水平埋伏)タイプの親知らずと処置は似ており、歯ぐきをメスで切開して開き、親知らずを露出させ、歯冠分割で手前側の歯を取り除きます。そのあとに歯の根の部分を取り除きます。抜歯後は歯ぐきを縫合します。
治療費用
歯科医院によって若干異なりますが、処置代は3000円〜5000円程度となります。(初診代やレントゲン、清掃代などを除く)
抜かずに放置すると、どんな問題があるか?
親知らずの中で最も問題が起こりやすいのはこのタイプです。
歯ブラシでの清掃やうがいでの除去ができないため、手前の歯との間に細菌が蓄積され、感染が広がり、親知らずや手前の歯に歯肉炎、むし歯が発生するリスクが高くなります。